メルマガバックナンバー【Vol.105】(2021年10月25日発行)

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【2021/10/25発行】

 

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             キューブメルマガ/第105号

 

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送信元:キューブ・インテグレーション株式会社

 

■目次■

1. 今月のコラム

2. 勉強会のご案内

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1. 今月のコラム

「部下から性指向や性自認に係る業務上の相談を受けた時の対応ポイントは?

  ―無自覚のアウティングを防ぐ為の注意点-」

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2020年6月1日にパワハラ防止法が施行され、企業に対しハラスメント対策を義務づける

ことになりました。一方、LGBTに対するハラスメントや差別については、一部パワハラ

防止法に関連の記載があるものの体系だった法的な整備はこれからです。

調査によって数字にバラつきはあるものの、LGBTが占める割合は人口の1割程度とも言わ

れており、決して少なくはない数ということができそうですが、会社において生じるハ

ラスメントケースの中で、性的マイノリティーに係るケースが表面化している数は少な

いと思います。その為、対応が求められた時、判断に困ったりかえって問題を複雑化さ

せてしまったりすることが予想されます。

そこで、今回は事例をもとに、まずは相談を受けた入り口での対応ポイントについてお

伝えしたいと思います。

 

【事例】

あなたは、部下から「これまでは伏せていたが、実は身体性は男性、性自認は女性であり、

これからは職場で女性の服装と通称名で勤務したい」という相談を受けました。

さて、皆さんはその相談を受けた際まずどのような対応、行動をとるでしょうか。

 

おそらく、多くの場合は次の2つが対応方法として浮かぶのではないでしょうか。

①上長・または同僚に相談する、②人事に相談する。

 

①や②の対応になる理由としては、①は、こうした相談への慣れなさから、つい誰かに

打ち明けて共有しながら対応したいという気持ちになる、②は、よくある不調となった

部下からの業務調整等の相談と同様の対応をするということが考えられます。

しかし、今回の事例のような、セクシャルマイノリティに係る相談の場合、①や②いず

れの場合も、その行動の前に欠いてはならない重要な対応ポイントがあります。

それは、相談内容を「誰」と「どの範囲まで」共有してよいのか、きちんと部下に同意

を得るということです。こうした相談を受けた際には、より個人情報の管理に慎重さが

求められ、本人同意が必要であるという点で、通常の動き方では不十分なだけでなく、

問題になる可能性が高いという認識を持っておくことが必要となります。

 

同意が不十分な例としては、

・本人から相談があったのだから大丈夫だろうと考えて、人事等と共有してしまう

 

よくある部下からの業務上の相談の場合は、関係者と情報共有や相談することについて、

改めて確認を取らないことが多いと思いますが、それと同様に進めてしまうことで、相

談者との認識に齟齬が生じてしまうことがあります。

 

また、

・誰と共有するかについては同意を得ても、どこまでの範囲を共有するかは確認せずに

  進めてしまう

 

上司は必要だと思って共有したことでも、後になって「そこまで個人的なことは共有し

てほしくはなかった」ということや、「業務調整に係る以外のことも勝手に話された」

などのトラブルが生じかねません。

「アウティング」とは、本人の同意なく、第三者に勝手に事情を話してしまうことです

が、この点に無自覚な対応をし、同意なしに個人情報が流出してしまった際は、時に命

にかかわるような重大な事態に発展することもあり得ます。また、訴訟リスクに至るケ

ースも考えられます。

 

続いて、相談を聞く際の注意点についても触れたいと思います。

相談を受けた際、状況を確認する為に質問をすることもあるかと思いますが、この点で

も慎重さが求められます。こうしたケースの場合、例えばどのような質問や確認が相手

にとって聞かれたくない内容であるのか、またプライバシーに踏み込まれたと感じるも

のかなど、個人差もあり、適切な判断は難しいものです。

良かれと思ってのことであっても、時に発言者の価値観が無自覚に反映されていること

もあり、やはり、十分な知識がない中での対応は、残念ながらリスクが伴います。

勿論、相談者が話したい場合は丁寧に聞いていただくことが大切ですが、詳細な状況確

認を積極的に行う姿勢は控えるという意識が大切です。

 

最後になりますが、この事例の対応ポイントの一つである「アウティング」がパワーハ

ラスメントに該当することは、パワハラ防止法に明確な記載がある為、そのことを知識

としては獲得している方もいらっしゃると思います。ただ、実際に相談を受け、とっさ

に行動をとった時、その行動がアウティングに該当しているのかを精査し、適切な対応

に繋げることはなかなか難しいことと思います。

知識の獲得から一歩進んだ具体的な対応を想定し、事前準備をしておくことももちろん

重要ですが、専門家と早い段階から連携することで、こういったリスクやトラブルを減

らすことができるのではないかと考えております。

 

                          (コラボレーター 平野訓子)

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2. 勉強会のご案内

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【テーマ】

性指向や性自認に係る相談を受けた時の対応ポイントは?

―無自覚のアウティングを防ぐ為の注意点-

 

【概 要】

今回のセミナーでは、セクシャルマイノリティの事例を取り上げ、

トラブルを未然に防ぐ為の具体的な対応方法をご紹介します。

 

◎セクシャルマイノリティに係る相談対応における、重要な対応ポイントは?

 ①無自覚な「アウティング」を起こさない為の注意点

 ②二次被害を引き起こさない為の対応方法

◎事例から見えてくる企業に求められる対応ポイント

 

【開催日時】2021年12月3日(金)15:30~17:00 (受付開始15:20)

【開催方法】Zoom

【定員】5名程度

【参加費】無料

【参加申込期限】2021年12月2日(木)17:30

【参加にあたってのお願い】

・本オンラインセミナーでは、Zoomを使用します。

・少人数セミナーとなっており、意見交換なども行いますので、

 企業名および日頃の業務でお困りのことについての共有をお願いします。

・ログイン時には、氏名が分かる表記をお願いします。

・弊社内の教育目的で研修は録画させて頂きます。(弊社外に開示することは御座いません)

 

参加を希望される方は、info@cubeintegration.comに下記項目と併せてご連絡ください。

・御社名

・お名前

・所属部署/役職

・ご連絡先(メールアドレス)

・セミナー名 または希望相談枠

 

ご参加お待ちしております。

 

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