メルマガバックナンバー【Vol.86】(2020年2月28日発行)

 

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【2020/2/28発行】

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         キューブメルマガ/第86号

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問題行動を起こす社員の事例
送信元:キューブ・インテグレーション株式会社
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■目次■
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  1.【CUBE NEWS】
  2. 今月のコラム
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1.【CUBE NEWS】
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第131回日本心身医学会関東地方会(会期:2020年2月8日~9日)で開催された産業
医教育研修「産業医活動における精神障害者雇用の拡大」」で、 当社の諏訪裕子が
講師として登壇しました。  

テーマ:「精神障害者の『働き方』改革-公認心理師の立場から」
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2. 今月のコラム
「問題行動を起こす社員の事例」
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B課長の部下として6ヶ月前に異動してきたAさん。配属直後から勤怠の乱れや仕事
のミスが散見されたため、B課長が面談したところ、「まだ仕事に慣れなくて…不
安で夜も眠れないんです」と泣き出しました。
「もう死にたい…」とAさんが俯いて呟いたため、B課長はそんなことになっては
困ると、Aさんの体調を気遣いつつ、業務のフォローも手厚く行なっていました。

ところがAさんの勤怠や業務パフォーマンスは改善されるどころか悪化していきま
す。出社しても度々休養室で過ごしたり、デスクでぼんやりしたりしていて、仕事
になりません。B課長が頻繁に面談して指導しますが、毎回1時間以上拘束されるた
め、他の部下からの不満も大きくなってきました。
B課長から相談を受けた上司のC部長が直接Aさんと面談したところ、「そもそも異
動したばかりでまだ仕事が分からないのに、課長がどんどん仕事を振ってきて…こ
れってパワハラじゃないですか」とAさんは涙ながらに訴えました。
―――――――――――――――――――――――――――――※

さて、あなたがB課長やC部長の立場だったら、この後どのように対応するでしょうか。
①メンタル不調の疑いがあるため、最大限業務に配慮し手厚く接する。
②就労している以上はルールに則り、しっかりと仕事をするよう指導する。
③時間を取られると困るので、当たり障りがないよう距離を置いて対応する。

上記のどの選択肢も、一概に正解とも不正解とも言えません。

なぜなら、Aさんが“どういう理由で”これらの行動を起こしているかが、上の情報
だけでは不明だからです。問題行動の背景には、精神疾患や本人の能力、性格特
性など様々な要因が存在している可能性があります。

もしこれらの要因が不明のまま誤った対応をした場合、どうなるでしょうか。

例えば、①メンタル不調の疑いがあるため、最大限業務に配慮し手厚く接する、
という選択肢は、うつ病が要因となっている場合には適切な対応と言えます。

しかし、本人の性格的な問題などが要因となっている場合には、Aさんの問題行
動がさらに悪化する可能性が非常に高くなってしまいます。
その場合、自傷他害や訴訟、悪評の流布といった会社経営上のリスクや、上司の
甚大な対応コスト増等の業務運営上のリスクにつながることが懸念されます。

このことから分かるように、どのような背景によって問題行動が起こっているの
かを適切に判断して対応することが重要です。

もし過去にあった問題行動と一見して同じであったとしても、背景にある障害や
疾患は同じとは限りません。それらを鑑別するためには精神医学的・心理学的な
専門知識が必須となります。

前例に則った対応がしにくいことも、問題行動への対処が難しい理由の一つと言
えます。

問題行動への対応で大切なことは、初動の適切さです。
そのためには、こういった問題行動が起こった際に「まずは動いて、考える」の
ではなく、「動く前に、まずは専門家に相談する」ことで問題行動の要因を特定
することを強くお勧めします。

初動が適切であれば、どのような問題行動であってもある程度リスクコントロール
が可能になるはずです。

(コラボレーター 棚岡 晴香)

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