メルマガバックナンバー【Vol.83】(2019年11月27日発行)

 

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【2019/11/27発行】

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         キューブメルマガ/第83号

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今月のコラム
メンタルヘルス疾患の治療と仕事の両立支援
―職場・人事・産業保健スタッフの連携の観点から―
送信元:キューブ・インテグレーション株式会社
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「あの、、、退職をさせてもらえないでしょうか?」
ある日、中間管理職のAさんから突然退職の申し出がありました。Aさんは半年前に
うつ病による休職(3ヶ月)から復帰したところで、順調に業務に従事しているよう
に見えました。人事も上司も驚いています。一体何があったのでしょうか?

少し時間を戻して、Aさんが職場復帰をした頃を振り返ってみます。復帰に際し、会
社人事と産業医、そしてAさん本人を含めた話し合いの上、
・メンタルクリニックへの外来通院治療は継続すること
・残業制限(3ヶ月は残業なし)をかけ業務内容や量は配慮すること
・産業保健スタッフとの定期的な面談を実施すること
の3つを取り決めていました。休職前のAさんはバリバリ仕事をこなしていましたが、
うつ病を発症してからは希死念慮があったという情報を得ていたため、復職に当たっ
ては最大限の配慮をしようと考えていました。

さて、退職を申し出たAさんに事情を確認すると「周囲はとても忙しそうなのに、自
分だけあまり仕事がなく、みんなに申し訳ない。重要な仕事は任せてもらえなくて、
もう自分はこの職場で必要がないように感じる。」とのことです。「そのようなこと
はないから考え直してほしい」と説得し、退職は免れました。将来的な活躍を期待し、
良かれと思った配慮が裏目に出て、かえってAさんのモチベーションを下げてしまった
ようで、人事担当者は職場復帰支援についてすっかり自信をなくしてしまいました。

ここで大切なのは、関係者が連携し、お互いの情報を共有することです。このケース
では、実は産業保健スタッフは“Aさんが仕事の負荷が低すぎて、かえってモチベーシ
ョンが低下している”という情報を得ていました。配慮をしてもらっている遠慮からか、
本人から人事や上司に「仕事が少なすぎて困る」ということはなかなか言いだせない
ものですが、産業保健スタッフには話せているというケースは少なくありません
しかし、「守秘義務」のもと、人事や上司には伝えられていないことも、よくありま
す。ここでこの事態の原因が産業保健スタッフにあるとするのは早計です。人事はA
さんについての情報共有の場をセッティングし、復帰後の状況を把握するよう努める
【司令塔】としての役割を取ることが望ましく、上司は身近でAさんの様子を観察し、
適宜声をかけたり、必要に応じてAさんの職場の様子を関係者に伝えたりするなど、
【発信者】としての役割が期待されています。また、産業保健スタッフは主治医との
連携の窓口となり、主治医に対しAさんの仕事の内容や職場の情報を伝え、職場にお
ける就業配慮に関する情報提供依頼書を発行していただくようにすると、なお良いか
と思います。

一連の流れにおいて守秘義務はもちろん重要です。しかし、本人にとってその情報を
オープンにする方がむしろよい結果につながる、または希死念慮がある場合には自殺
リスクを回避するために本人の了解をきちんと得て関係者に情報を開示し、連携する
ことも同じように重要であり必要不可欠です。職場・人事・産業保健スタッフが一丸
となって社員のサポートに当たることで、メンタルヘルス不調で休復職する社員だけ
でなく、がんやその他の疾患の治療をしながら働く社員にとっても働きやすい職場が
できていくと考えます。


(コラボレーター 笠作 鮎美)

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