メルマガバックナンバー【Vol.81】(2019年9月25日発行)

 

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【2019/9/25発行】

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         キューブメルマガ/第81号

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今月のコラム

グレーゾーンのセクシャルハラスメント
送信元:キューブ・インテグレーション株式会社
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営業先に向かう車内
A課長(男性)と新入社員Bさん(女性)の二人で車で営業に出かけた際、Bさんが
「初めて営業に行くので緊張します」と言うので、Bさんにリラックスしてもらお
うと自分が新人の頃の話をしたり、色々な話をして緊張をほぐそうとした。「まあ、
色々言ったけど今日は初めてだしBさんは、若くて可愛い女の子だから笑顔でニコ
ニコ座っててもらえれば充分だよ。」とプレッシャーにならないようにアドバイス
しました。


数日後、C部長から呼び出され「この間Bさんが初めて営業に行った時のことを話し
ていてね、君の発言でセクハラだと思ったということを言っていたよ…。」と言わ
れた。
「え!?なんのことですか!?」と驚きながら詳しく聞くと、「若いし可愛いから
笑顔でニコニコ座っててもらえるだけで充分だよ。」というのがセクハラで、女性
軽視だということでがっかりしたとBさんが言っていたということでした。
A課長「いやいや!?そんなつもりは一切ないですよ。初めて営業先に行くから“緊
張します”と言っていたので、それなら座って笑顔でいてくれれば、それ以上のこと
は何もしなくていい、ということで良かれと思って言ったことだったんですよ。」
と説明した。今回は、Bさんが訴えているわけではないということで、処分はなく
C部長からの注意で済んだ。
A課長は社会人になって20年近くになるが、これまで部下に同じようなアドバイス
をしてきたが、トラブルになったことはなかった。むしろ部下が緊張しているとき
には和らげようと気を使うなどして、信頼関係を築くことには自信があった。この
件があって以来、A課長はBさんへの接し方がぎこちなくなっていた。ほかの部下
への接し方も慎重になりすぎてコミュニケーションが取りづらくなり、業務の指示
の出し方や仕事上の部下への関わりにも悩むようになっていた。

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男女雇用機会均等法上の「職場におけるセクシュアルハラスメント(以下、セクハ
ラ)」とは、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」

に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」
により就業環境が害されたりすることです。
先の事例にあるA課長と新入社員Bさんとの会話は今も昔もよくある場面で「これ、
セクハラ?」と感じるのではないでしょうか。しかし、「女の子だから…」といっ
た性別役割分担意識に基づくような発言や容姿に関する発言など、それによって受
け手が不快に思うとセクハラとして訴えが起こることがあります。
実際にセクハラと認定されるかどうかは、その訴えの合理性・妥当性や継続性や悪
意の有無といったことが考慮されますが、こういった訴えが起こることでコミュニ
ケーションや人間関係がギクシャクします。

過去には問題にならなかった行為なのに、なぜ今「セクハラだ!」といわれるのか。

セクハラで職場環境を害されたか否かの判断は「平均的な労働者の感じ方」が基準
とされます。つまり、これが変わるとセクハラ該当基準も変わる可能性があります。
その時代の文化、教育、法律の影響を受け、セクハラの基準はその時代時代で変容
していきます。それに加え個人の考えや感じ方の違いもありますので、同じ振る舞
い・言動がセクハラと思う・思わないが変わってきます。世代間ギャップ、男女間
ギャップ、個人間ギャップと個々違う考え方や意識を持つ人が集まって会社組織が
成り立っていることを考えると、時にはコミュニケーションのすれ違いがあるのは
当然です。

このようなすれ違いを防ぐには、まず、その時代・世代のセクハラとなる言動・行
為の基準を把握しておくことです。

すでに知っているセクハラの基準は“不変のものではなく、時代で変化するもの”と
捉えて、最新の基準に書き換え、時代にあった正しいセクハラの知識を知ること
です。
また、自分の言動や振る舞いを振り返ることも良いかもしれません。その際に、
「この言動や振る舞いは業務上必要なことか」、「この言動や振る舞いが男女平等
の思想に則しているか」という視点を持つことでグレーゾーンのセクハラを抑止す
ることが出来るのではないでしょうか。

一方、セクハラに過敏になりすぎるあまりコミュニケーションが希薄になることは
組織の成長に悪影響を与えます。セクハラは職場の対人交流の中で発生しているこ
となので、コミュニケーションや人間関係の問題と考えることもできます。
A課長の「Bさんの緊張を和らげたい」という意図はむしろ上司として適切な考えで
す。
ただ、ここでは声掛けの仕方に問題があったといえるでしょう。
先の会話の場合であれば、「まあ、色々言ったけど今日は初めてだしBさんは、ま
ずは私と先方のやり取りをみて、営業の仕方を学んでもらえれば良いよ。」といっ
た声掛けであれば問題なくBさんの緊張をほぐすことができたのではないでしょうか。

セクハラを防ぐことだけを考えると、“職場では不必要な会話はせず最低限の関わり
をする”と考えがちですが、それでは組織が活性化できず損失を招く危険性もありま
す。
そうではなく、正しくセクハラに関する知識を習得してセクハラ行為を防いでいく
さらに、自分の他者への関わり方・意識などのコミュニケーションスタイルを見直
す機会とすることで、ビジネスシーンにおいて、より円滑な関係を築いていくこと
ができるかもしれません。


(コラボレーター 長尾 文子)

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