メルマガバックナンバー【Vol.39】(2016年2月26日発行)

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【2016/02/26発行】
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キューブメルマガ/第39号
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物語に耳を傾ける
送信元:キューブ・インテグレーション株式会社
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■目次■
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1.【CUBE NEWS】

2. 今月のコラム

3. 編集後記

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1.【CUBE NEWS】

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この度、企業の人事担当者の皆様にお集まりいただき、
以下の定期勉強会を開催することといたしました。

1.【テーマ】  現場の負担感を少し軽くするには?メンタル休職者の復職準備のコツ
  【開催日時】2016年3月11日(金)15:30~17:00 (受付開始15:10)

2.【テーマ】 精神障害の雇用支援で、企業に押さえてもらいたいこと
  【開催日時】2016年3月18日(金)15:30~17:00 (受付開始15:10)

3.【テーマ】【好評につき追加開催】
        復職者の再休職防止と生産性向上のためのポイント
  【開催日時】2016年3月25日(金)15:30~17:00 (受付開始15:10)

詳細はホームページhttp://cubeintegration.com/archives/794にて
ご覧ください。

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2. 今月のコラム「物語に耳を傾ける」
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現在、適応障害などの不適応を起こす従業員が増えています。その方たちの再
適応を考えるとき、私はその方の物語に寄り添うようにしています。なぜなら、
その「物語」の中に適応の鍵があると考えているからです。

私たちは、過去の体験を語るとき、物語として語ります。そして、周りの人たち
の体験をきいたとき、その人の物語として把握します。歴史上の人物が物語として
語られているように、私たちが現在生きているコミュニティや人間関係も、
たくさんの「物語」で構成されています。

複数の人が同じ時間や空間を共有し体験していても、その体験はそれぞれに違い、
同じ物語にはなりません。人間関係も10人いたら少なくとも10の人生の物語が
あります。
人の物語は、聴いてみないとわからないのです。メンタル不調に至るまでの物
語をきいていると、ああ、そんなことがあったのか、そんな風に体験していた
のか、などと発見があります。

ある女性の従業員は、入社数年後に不調になったきっかけを、「上司のパワハ
ラだ」と訴えました。毎日毎日、仕事の仕方を監視されるように罵声を受け、
自信を喪失していく日々。職場のビルを見るだけで、その上司の罵声が聞こえ
てくるようで怖くて復帰できないと語りました。

彼女の語りに耳を傾けていくと、彼女は厳格な父に育ち、自分に至らないこと
があるとかなり強い口調で叱られた思い出があると言います。ルールや礼儀、
日々の努力に関して小さいことから細かく教育されたようでした。そのことは
彼女にとってはあまり良い思い出ではなく、でもそれによって今の自分があり、
今の会社に入社できたのは父のおかげかもしれないとも語ります。

つまり、父の教育の仕方に疑問を持ちつつ、一方で父への尊敬も抱いていまし
た。それを裏付けるように、彼女は父親と同じ業種の仕事を選んでおり、転職
はせず同じ仕事を絶対に続けていきたいとの強い思いがありました。

上司と父親との体験が重なり合うように起こったとも考えられるこの現象は、
彼女が職業人として一歩を踏み出した過程で起こったことです。彼女自身がそ
の現象のからくりに気づき、そしてその上でこれからの自分の物語のシナリオ
をどう描いていきたいのか、しばらくカウンセリングが続きました。

心身ともに回復がみられたころ、具体的に復職を考えたいと彼女は言いました。
彼女の希望で上司の言動が父と重なったことを上司に語り、でもまた元の職場
で頑張りたい気持ちがあると伝えました。同席していたコラボレーターが見守
る中、上司が、君は優秀だから育てたい一心で一生懸命になっていた、と上司
自身の物語を語りはじめました。言動には気を付ける、今後も一緒に頑張って
いかないか、と言葉を添えたときに、彼女の眼には涙がたまり、ゆっくりと頷
きました。

その後、職場に戻り、上司は時々言動の行き過ぎることも見られましたが、そ
のたびに上司は言動を振り返り、そして彼女自身も、少々の言動では気持ちが
揺れることは少なくなりました。少しずつ、上司部下間で新たな物語の接点が
みられるようになり、それぞれの物語が構成されていったのだろうと思います。

病気の症状の改善だけで物事が解決するものでもありません。その背景に流れ
る物語に耳を傾けると、何か見えてくるものがあります。人間関係が薄く、コ
ミュニケーションを簡略化せざるを得ない現代だからこそ、ひとりひとりの体
験を大切にしていきたいものです。

(エグゼクティブ・コラボレーター 隅谷理子)

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3. 編集後記
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今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
最近、癒しの効果を求め、「空前の猫ブーム」と言われているみたいです。
人によってその癒しのポイントはそれぞれ異なりますが、
本屋さんで猫の本を手に取って読んでいる人々の穏やかな姿にはホットしますね。
(張)

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